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意外な人物が登場(?)するミステリ【名探偵はもういない】

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~登場人物欄を自分で埋めるミステリ~
霧舎巧『名探偵はもういない』講談社

 

 

 

 

あらすじ

 

犯罪学者・木岬と義弟の敬二少年は、雪崩に道を閉ざされてとあるペンションに足止めされる。
ワケありの客が集う雪の山荘では連続怪死事件が発生!
はたして「名探偵」は奇妙な事件の謎を解けるのか!?
あえて真相への手がかりを提示する“読者への挑戦状”付きで贈る、霧舎巧エッセンスにあふれた名作。

 

引用元:講談社BOOK倶楽部
(https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000205036)

 

忙しい人向け(三行)

怪しい客人が集う山荘で
連続怪死事件の
謎を追う

 

主要登場人物

作者の意向に沿って、ここは空白としておきます。

実際の小説においても登場人物欄は空白になっています。

岬 研吾(きみさき けんご)
犯罪学者。
仕事らしい仕事もせず、探偵小説を読むなどして生活している。
出版した研究所は発禁処分になっている。


敬二(けいじ)
研吾の義弟。小学生。
義兄の影響で犯罪者に憧れている。

※ここには意外な人物は記していません。

特徴

本作は《あかずの扉》研究会シリーズの外伝という位置付けですが、本編を未読の方でも問題なく楽しめるよう配慮されています。

 

物語の流れやキャラクターの言動に、シリーズ未読者を置き去りにするような要素はなく、むしろ初めてこの世界に足を踏み入れる読者を歓迎するような作りであるといえるでしょう。

 

作品の後半には"読者への挑戦状"がついてますね。

 

この小説に向いている人

いわゆる"読者への挑戦状"が好き。
・いわゆる"雪の山荘"が好き。
・海外の古典ミステリを読んでいる。

 

この小説に向いていない人

重厚なストーリーを期待している。
・ご都合主義的な展開が気になりがち。

 

まとめ

昭和53年、雪深い山荘で不可解な殺人事件が発生します。孤立した環境で次第に明らかになる真実――その過程が描かれるミステリです。

 

本作には「読者への挑戦状」という伝統的な仕掛けが組み込まれており、ミステリの醍醐味を存分に味わうことができます。また、登場人物欄が空白にされているという斬新な演出も、読者の想像力を掻き立てる一助となっています。

 

さらにはちょっとしたサプライズも用意されています。

 

追記①この小説が好きな方にオススメ

星降り山荘の殺人

作者は倉知淳長編です。
物語の場面ごとにナレーションが挿入されています。
"探偵が登場する"とか"読者はここまでの情報で真相が推理できる"等々……
着目すべき箇所を説明してもらえるのはフェアですね?

 

 

虹果て村の秘密

作者は有栖川有栖。ジュブナイルミステリです。

ステリの面白さはトリックだけではないと教えてくれる聖典です。