~〇〇ビが登場するミステリ~
今村昌弘『屍人荘の殺人』東京創元社
あらすじ
神紅大学ミステリ愛好会会長であり『名探偵』の明智恭介とその助手、葉村譲は、同じ大学に通うもう一人の名探偵、剣崎比留子と共に曰くつきの映研の夏合宿に参加するため、ペンション紫湛荘を訪れる。初日の夜、彼らは想像だになかった事態に見舞われ荘内に籠城を余儀なくされるが、それは連続殺人の幕開けに過ぎなかった。
たった一時間半で世界は一変した。
引用元:屍人荘の殺人 - 今村昌弘|東京創元社
(http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488466114)
神紅大学の学生たちが
合宿先で〇〇ビと遭遇し
クローズド・サークルの憂き目に
主要登場人物
葉村 譲
経済学部一回生。
ミステリ愛好会所属。語り手。
明智 恭介
理学部三回生。
ミステリ愛好会所属。自称"神紅のホームズ"。
剣崎 比留子
文学部二回生。
探偵。警察も手を焼く難事件を幾度となく解決へ導いた実績を持つ。
特徴
第27回鮎川哲也賞受賞作にして今村昌弘のデビュー作。
科学技術の進歩により新形式のクローズド・サークルを構築することが難しくなった昨今、とんでもねぇ方法で"ソレ"を成立させた作品です。
端的に言ってしまえば、〇〇ビが登場します。トンビかもしれないし、バンビかもしれません。
リアリティを重んじる読者からすれば噴飯ものですが、まあ、ミステリとして面白ければ何でもいいよね!
パニックホラーのドタバタと、ミステリの歯ごたえを堪能できるお得な一冊です!
この小説に向いている人
・クローズド・サークルが好き。
・特殊設定ミステリが好き。
・学生が主役の物語が好き。
この小説に向いていない人
・現実味のない物語が苦手。
・洗練された文章表現を求めている。
・トリックの再現性を重視している。
まとめ
今村昌弘のデビュー作。
最大の特徴は〇〇ビが登場すること。
〇〇ビの登場はミステリに前例がないと持ち上げられがちですが、私が知る限り2作品以上はあるような……。
もちろん、そのことが本作品の魅力を損なわせているわけではありません!
コミカライズ
漫画版です。
完結済み。全四巻。
映画
神木隆之介主演で上映されました。
追記①この小説が好きな方にオススメ
魔眼の匣の殺人
続編です。
月光ゲーム
こちらも大学生が主役。
有栖川有栖のデビュー作。
折れた竜骨
こちらはファンタジー×ミステリ。
きちんと本格ミステリです! 上下巻構成。