~タイトル以上に過激なピカレスクロマン~
白井智之『お前の彼女は二階で茹で死に』実業之日本社
あらすじ
自殺した妹・リチウム(ミミズ人間)の仇を討つために、刑事になったヒコボシ。事件を追いながら、リチウムを自殺に追い込んだ連中の尻尾を摑み、破滅させてやろうとたくらむ。
事件の謎を解くのは、天才的な推理力を持つ女子高生探偵・マホマホ。
しかし、彼女はヒコボシに監禁されていて……。
引用元:実業之日本社 j-n.co.jp
(https://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-55748-9)
レ〇プ魔と
悪徳刑事が
大暴れ
主要登場人物
ノエル
語り手その1。
ミミズの青年。
ヒコボシ
語り手その2。刑事。
自殺した妹の仇を討つため事件を追う。
マホマホ
「名探偵」にしてミミズの女子高生。
ヒコボシに監禁されている。
※この物語のミミズはいわゆる亜人です。肌に横縞があり、現実のミミズを人間に足し合わせたような風貌をしています。実は表紙のキャラクターをよく見ると……
特徴
特殊設定ミステリです。
多重解決の要素もあります。
しかし、最大の特徴は眉をひそめたくなる描写の数々ですね。
いくつか文章を読めば雰囲気を掴めると思いますので、本文から3例ほど引用します。
『ヒコボシは胃袋が重くなった。この村の人間は、青年のちんちんから出た油をためらいなく料理にぶっかけるらしい。』
『ヒコボシは左右の眼球をほじくり出し、視神経ごと喉の奥へ突っ込んだ。』
『膨らんだキンタマに溜まった精液をぶちまけられるのは、三人のうち一人だけ。はたして誰を選ぶべきか?』
引用元:(お前の彼女は二階で茹で死に、2022年、実業之日本社)
もちろん、引用した部分はほんの序の口に過ぎません。
もっと過激な部分を載せると色々な意味でマズいので……
この小説に向いている人
・過激な表現が好き。
・多重解決が好き。
・胸糞悪い話が好き。
・生活に刺激を求めている。
この小説に向いていない人
・エ〇グロ・下ネタが苦手。
・特殊設定ミステリが苦手。
・たとえ物語であろうと、倫理観を欠いた人物は鼻持ちならない。
まとめ
終始「うげぇ」「おぇー」となる話が続く本格ミステリです。
この作者(白井智之)の平常運転ではありますが、なかなか慣れるものではありません。
もちろん、ミステリの部分は至極"まっとう"です!
追記①この小説が好きな方にオススメ
東京結合人間
同作者の小説。こちらも特殊設定ミステリです。
"嘘がつけない特殊な人間"が集う孤島で事件が起きます。
しかし、全員が犯行を否定。紛れ込んだ"嘘つき"が誰なのか推理することになります。
監禁探偵
他媒体に映画・小説もありますが、漫画(全2巻)が初出です。
個人的には内容がマイルドな2巻から読んでもいいと思います。
もちろん、1巻の事件のネタバレはありません。
(1巻でリタイアされたら悲しいので……)
密室殺人ゲーム王手飛車取り
作者は歌野晶午。
奇妙なニックネームの5人が、ネット上で推理ゲームを催します。
ただし扱われる事件はすべて、出題者の手で実行済みの実際に起きた事件であり……
頭の固い人が読めばブチ切れ間違いなしの作品です。
友達以上探偵未満
作者は麻耶雄嵩。
この作品でも女子高生探偵が活躍します。
ライトな雰囲気に反して、ガチガチの本格ミステリです。
"読者への挑戦状"も2つ付いています。
スノーホワイト
作者は森川智喜。
いわゆる特殊設定ミステリ。
極悪な探偵が怜悧な頭脳を悪事に活かしまくる困った作品です。