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大人でも楽しめるジュブナイル・ミステリ【虹果て村の秘密】

~子ども向けですが、子どもだましではありません~
有栖川有栖『虹果て村の秘密』講談社

 

 

 

あらすじ

 

 

推理作家になるという夢を持つ12歳の秀介(しゅうすけ)は、同級生の優希(ゆうき)と虹果て村で夏休みを過ごす。
「夜に虹が出たら人が死ぬ」という村の言い伝え通りに、男性が密室状態の自宅で殺害される。
折しも土砂崩れのため犯人と共に村に閉じこめられた二人は知恵を振り絞り謎に挑む。

 

引用元:講談社BOOK倶楽部
(https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000206298)

 

忙しい人向け(三行)

小学生ふたりが
田舎を舞台に
密室トリックに挑む

 

主要登場人物

上月 秀介(こうづき しゅうすけ)
小学六年生の男の子。語り手。
将来の夢は推理作家。
ミステリのネタバレは絶対に許さない。

 

二宮 優希(にのみや ゆうき)
小学六年生の女の子。秀介の同級生。
将来の夢は刑事。
愛称は"ユー"。

 

二宮 ミサト(にのみや みさと)
優希の母。売れっ子推理作家。
締切り前はデスクに噛り付く。

 

藤沢 明日香(ふじさわ あすか)
ミサトのいとこ。
"虹果て村"に住んでいる。
実家は農家だが、本人は役場に勤めている。

 

島谷 豊明(しまたに とよあき)
UFOを研究する陶芸家。
全身を緑づくめにしている。

 

島谷 光(しまたに ひかる)
ドラマの主役が務まりそうな優男。
親戚を訪ねに"虹果て村"に足を運んでいる。

 

特徴

元々は"ミステリーランド"というレーベルで発刊された作品です。


少年少女向けを謳っているためか、トリックは至ってシンプル


とはいえ、その先に待つ犯人限定のロジックにこそ本作品の醍醐味があります。

 

 

なぜ、そんなトリックを弄する必要があったのか?
犯人は誰なのか?

 

 

ミステリの面白さはトリックだけではないことを教えてくれる作品です。

 

 

この小説に向いている人

・ロジックを重視している。
・理解しやすいトリックが好き。
・小学生が主役の小説を読みたい。

 

この小説に向いていない人

・複雑なトリックを求めている。
・刺激的な物語に触れたい。
・小学生が主役の小説は読みたくない。

 

まとめ

殺人事件は起こりますが、残虐な描写はほぼありません。


ダーティーな大人の事情が表面化しないという点では"子ども向け"と言えるかもしれません。


しかし、謎解きのロジックは十分に読みごたえがある内容ですよ!

 

 

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