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殺人鬼でありながら名探偵!? 人間の命を軽く扱い過ぎるミステリ【密室殺人ゲーム2.0】

~不謹慎&不道徳~

歌野晶午『密室殺人ゲーム2.0』講談社

 

 

 


前作の記事

 

 

あらすじ

 

あの殺人ゲームが帰ってきた! ネット上で繰り広げられる奇妙な推理合戦。その凝りに凝った殺人トリックは全て、五人のゲーマーによって実際に行われたものだった。トリック重視の殺人、被害者なんて誰でもいい。名探偵でありながら殺人鬼でもある五人を襲う、驚愕の結末とは。

 

引用元:講談社BOOK倶楽部
(https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000205963)

 

忙しい方向け(三行)

モラルゼロの
登場人物たちが
再び殺人品評会

 

主要登場人物のハンドルネーム

〈頭狂人〉
頭にダース・ベイダーのマスクをかぶっている。
ボイスチェンジャーを通して喋るのが特徴。

 

〈aXe〉
ジェイソンのようなホッケーマスクをかぶっている。
たまにミニチュアの手斧を振りまわす。

 

〈ザンギャ君〉
ウェブカムに映しているのはペットの亀。
やや毒舌。

 

〈伴道全教授〉
アフロのカツラとグルグル眼鏡を着用。
芝居がかった口調で喋る。

 

〈044APD〉
素顔をさらしているが、ソフトフォーカスのフィルターをかけている。
呟くようにして喋るのが特徴。

 

特徴

尻切れトンボ的に終幕を迎えた前作の続編。シリーズ2作目にあたります。

 

前作のネタバレが大いに含まれているため、逆張りせず順番通りに読んだほうがいいでしょう

 

相変わらず殺人推理ゲームが展開される作品ですので、不道徳な物語が苦手な方はご注意ください

 

この作品に向いている人

・トリックを重視している。
刺激的な表現が好き。
・胸糞悪い話を期待している。
・悪人が活躍する作品を読みたい。

 

この作品に向いていない人

・重厚なストーリーを求めている。
・犯人当て(フーダニット)を重視している。
・動機を重視している。
たとえ物語であっても、倫理観を欠いた人物は鼻持ちならない。

 

まとめ

『密室殺人ゲーム 王手飛車取り』の続編です。

 

前作を読んでからの本作という順序を踏む場合、"慣れ"とは恐ろしいもので、物語のインパクトは薄れてしまうかもしれません。

 

ただし扱われている"謎"は粒揃いですので、良質な連作短編集として十分楽しむことができるでしょう。

 

追記①この小説が好きな方にオススメ

密室殺人ゲーム・マニアックス

シリーズ第3弾。
外伝的位置づけの作品です。