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デスゲーム×ミステリ【インシテミル】

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~超高額時給の殺人ゲーム~
米澤穂信『インシテミル』文藝春秋

 

 

 

 

あらすじ

 

超高額の時給につられて集まった12人の男女。だが彼らを待っていたのは、参加者同士に殺人をけしかける犯人当てゲームだった。

 

引用元:文藝春秋BOOKS 本の話
(https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167773700)

 

 

主要登場人物

結城 理久彦(ゆうき りくひこ)
大学生。自他ともに認める楽天家。
本作品の主役。

 

須和名 祥子(すわな しょうこ)
黒髪の麗しい女性。
立ち居振舞いは深窓の令嬢さながらで、浮世離れした言動見せる。

 

大迫 雄大(おおさこ ゆうだい)
大学生。がっしりとした体躯しており、声も太い。
若菜とは旧知の仲。

 

若菜 恋花(わかな れんか)
目鼻立ちのくっきりした女性。
全体的に幼い雰囲気を漂わせている。
大迫とは旧知の仲。

 

釜瀬 丈(かませ じょう)
小太りの男性。
体系に似合わず、つぶらな瞳の持ち主。

 

西野 岳(にしの がく)
くたびれた雰囲気の壮年男性。
顔には青いヒゲの剃り跡が残っている。

 

岩井 壮助(いわい そうすけ)
レザー素材の服を身にまとい、髪を金に脱色している男性。
異様に周囲の様子を気にする素振りを見せる。結城曰く「薬物の禁断症状なのでは」。

 

箱島 雪人(はこしま ゆきと)
すっと鼻梁の通った美男子。
近くで観察しても女性のようにも見える。

 

真木 峰夫(まき みねお)
彫りが深く顎のラインが細い美男子。
深い無関心を思わせる喋り方をする。

 

関水 美夜(せきみず みや)
少年のように見える少女。
栗色の髪をしており、目つきが悪い。

 

安東 吉也(あんどう よしや)
眼鏡をかけたひょろ長い男性。
プライドの高い性格をしている。

 

渕 佐和子(ふち さわこ)
ぽっちゃりとした女性。
大学の近くで弁当屋を営んでいた。

 

特徴

2000年代に一世を風靡したデスゲームの要素を取り入れたミステリです。

 

常識外れの高額時給の求人に釣られた12人の登場人物は、正体不明の地下施設〈暗鬼館〉で恐ろしいデスゲームに巻き込まれることになります。

 

以下は〈暗鬼館〉の見取り図。

 

インシテミル 米澤穂信 クローズドサークル 見取り図

出典:米澤穂信『インシテミル』文藝春秋

 

眺めているだけでワクワクしてきますね!

 

12人の登場人物には動機(ボーナスやペナルティ)が提示され、だんだんと疑心暗鬼になっていき……

 

要はそういう作品です。

 

この小説に向いている人

クローズド・サークルが好き。
・いわゆるデスゲームが好き。
・ある程度ミステリに読み慣れている。

 

この小説に向いていない人

重厚なストーリーを期待している。
・コミカルなキャラクターが苦手。
・細かい突っ込みどころが多い小説は読みたくない。

 

まとめ

閉ざされた空間でひとり、またひとり……

 

と、ある意味では王道的(?)な展開の作品ではあります。

 

なお作者曰く、題名の由来は「淫してみる」とのこと。

 

ミステリ界隈の内輪ネタも多く、"十戒"、"インディアン人形"などのミステリ的なガジェットも多数登場しますよ。

 

映画

『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』というタイトルで、2010年に公開されました。
小説とは展開が異なります

ミステリの要素がだいぶ薄くなっているので、観ようと考えている方はご注意を。

 

 

 

追記①この小説が好きな方にオススメ

密室殺人ゲーム 王手飛車取り

作者は歌野晶午
デスゲームではありませんが、モラルゼロの登場人物たちが殺人推理ゲームを催します。

 

 

ミステリー・アリーナ

作者は深水黎一郎
ミステリマニアたちが、早い者勝ちの犯人当てクイズに挑みます。

 

 

ダンガンロンパ

推理アドベンチャーゲームです。
主に学園の生徒たちが、クローズ・ドサークルの憂き目に遭います。
次々と起こる殺人事件について、手がかりを集め、犯人を捜すべく議論を重ねていくシステムです。

 

 

春期限定いちごタルト事件

同著者の作品。

謎過ぎる関係の男女コンビが活躍する日常ミステリです。